自然のまま。ありのまま。ひがしこうち旅

Vol.06

伝統的古民家が残る奈半利の素晴らしさを届ける

なはり浦の会 会長 森美恵さん

安芸郡奈半利町は土佐東街道と野根山街道の分岐地点で交通の要衝として栄えた町です。
陸運、海運の交通事業の発展に貢献した野村茂久馬や、日本でも有数の製絲業を営んだ藤村米太郎などの実業家を輩出した町でもあります。
そんな奈半利町には風情のある古民家が建築当時から姿を変えず残っています。
濱田家住宅(旧増田屋)蔵、竹崎家住宅(旧高田屋)、森家住宅(旧野村茂久馬邸)、旧弘瀬家住宅などは100年以上前に建築されました。



現在、奈半利町内13カ所の住宅などが国の登録有形文化財として登録されています。
これらの建物には、きめが細かく厚塗りが可能な塗壁材料の土佐漆喰、強い雨や日差しから壁を守る水切り瓦、水の侵入を防ぎ、耐震性にも優れる石塀など職人の技術が施されています。
そういった見どころの多い奈半利の町を案内するのが、なはり浦の会のみなさんたちです。



【観る・遊ぶ】なはり浦の会の紹介ページ
なはり浦の会Facebook

森さんがなはり浦の会を立ち上げたきっかけ

なはり浦の会は1999(平成11)年に設立されました。
今では約40名の会員さんによって、なはり浦の会は支えられており、主な活動として町歩きガイドをはじめ、春になるとひな人形を飾った「土佐の町家ひなまつり」、秋には芸術作品を彩る「なはり古民家Art&Live」といった、建物を活用したイベントを開催しています。

会長の森さんは設立当時を振り返りながら、「最初は、奈半利の町並みの良さを知ってもらうために、一人でなんとかせないかんと思いよったんです。けど、私と同じ思いを抱いている人が少しずつ集まりだして、その時に、一人で活動してもいかんなと感じました。やっぱり、仲間がおって初めて成り立っていくものやとずっと実感しています。」と話してくれました。

おもてなしの心でガイドをするなはり浦の会

町歩きは2人のガイドさんを中心に実施しており、コースはお客さんが関心のあることによって、決めているそうです。「まずお客さんに、何を求めて来てくれるのかを聞きます。建築に興味のある人であれば、濱田典弥家住宅は職人の技が詰まった家やき絶対に外せません。あの建物は室町時代の書院造様式で建てられた家で、外の壁には漆喰を使ったり、玄関の天井は折り上げ格天井と言って、天井まわりが曲線状に取り付けられています。」

森さんが理想とする町歩きは、「お客さんがガイドマップを持ってゆっくり周ってもらいたいですね。ガイドと一緒に歩くのも歓迎やけど、奈半利を散策しているお客さんに、私たち町民が声を掛けて、どこへいっていますか、こんな所がありますよと、町ぐるみでお客さんを迎え入れてあげたいです。」と教えてくれました。

見どころの多い奈半利の町並み。森さんは特に石塀や水切り瓦がお気に入りで、「石塀ひとつひとつに表情があって、奈半利の子どもたちの顔があるみたいな感じがする。」と大切そうに石塀を触ります。

森さんが想う古民家のこと

近年では、建物の老朽化や、後を継ぐ人が少なくなり更地にしてしまう家主さんもいます。奈半利の町並みを残していくためには、建物を修理する大工さん、職人さんや住宅で生活を送る人が欠かせません。
森さんは「私はよく、古い家を大切にしてくださいって言うけど、それでも雨漏りしたり、台風で家が壊れたりしたら、直すのにお金と時間が掛かるし、もうこんな家いらんって思うことがあります(笑)。けど、それでも職人さんの技が光る家に長く住んでいると、家の柱やふすまひとつひとつが大事に思えるし、愛着が湧いてきます。できることなら田舎と馴染みの無いような都会の人にも住んでもらえたら良いですね。」と話してくれました。

「今思えば、この家が私たちのためにいっぱい働いてくれました。その分、私は奈半利の古民家へ恩を返すように、多くの人に建物を見てもらって、古い家の素晴らしさを広めていきたいです。」と森さんは言います。
それは奈半利に訪れる人だけでなく、地域で暮らす子どもたちにも思う気持ちは同じです。
「地元の子たちには生まれ育った町に誇りを持って、将来は奈半利の町並みを守ってもらいたいです。だいぶ前に児童に案内をしたら、僕も将来はガイドさんになりますって言ってくれた子がおって嬉しかったです。改めてなはり浦の会を始めて良かったと思います。」

奈半利の古民家を見に来てみませんか?

森さんに将来の展望を聞いてみると、「奈半利に来てくれる人を大事にして、遊びに来て良かったとか、あの人に会いたいき来たとか、みんなから好かれるような町にしていきたいです。なはり浦の会の会員はひとりひとりに個性があります。それぞれの特徴を活かしながら、みんなで協力して、ちょっとでもこの活動を続けたいです。」と語ってくれました。

奈半利の町をこよなく愛し、近世から続く歴史と古民家を守り続ける森さんたち。
今日も奈半利へ訪れるお客さんを歓待の気持ちでガイドします。
みなさんも趣のある古い町並みを散策してみてはいかがでしょうか。
地元の方のお話を聞きながら楽しい時間をお過ごしください。

町並みガイドの様子

奈半利の町を歩いてみる

なはり浦の会

風情のある町並みを散策しながら、あなただけのお気に入りスポットを見つけてみてください。
土佐漆喰や水切り瓦、赤レンガの蔵など見どころ満載です!
ガイドは、予約制となっております。
予約受付は集落活動センターなはりの郷まで。
(TEL:0887-30-1816)

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